科学のための科学

ワシントン出張1(NIHの大型研究費の審査) 旅行記

ワシントン出張1(NIHの大型研究費の審査)

先月末、またワシントンに出張していました。米国国立衛生研究所(NIH)の大型研究費、U54グラントの審査委員会に参加するためです。 このU54というのは、主として生物医学分野の基礎研究から応用研究(いわゆるトランスレーショナルリサーチ)を包含する拠点(センター)づくりのための研究費です。研究成果を臨…
NIH(NCI)でのOutstanding Investigator会議1 分子病理疫学(MPE)

NIH(NCI)でのOutstanding Investigator会議1

今、米国国立衛生研究所(NIH)に属する米国国立がん研究所(NCI)での会議のためにワシントンDCに来ています。NCIはワシントンDCのダウンタウンから少し北の郊外の住宅街にあります。最近はNCIでの用件も多くよくワシントンDCに出張している気がします。 さて、今回の旅の目的は、NCIのOutsta…
学び直しややり直しが認められる社会に! キャリア

学び直しややり直しが認められる社会に!

今日は学び直しややり直しの重要性について書きたいと思います。 私は医学部卒業後2年で渡米して米国で病理学専門医資格を習得した後、ボストンに来てから大規模なコホート研究に携わることになり、データ解析のための統計学・疫学の重要性を実感しました。統計学が科学や社会全体にとって如何に重要かは過去記事で述べま…
転ばぬ先の杖2 分子病理疫学(MPE)

転ばぬ先の杖2

繰り返しますが、世界規模の効果が莫大なのは間違いなく、癌治療よりも癌予防です。 例えば、たばこの消費量をゼロに、あるいは半分にするだけで、癌患者数、癌死亡数ともに世界規模で数千万の単位で減らせます。日本だけでも数十万から数百万の単位で減らせます。癌予防に比べると癌治療は世界規模の癌負荷の軽減に殆ど貢…
転ばぬ先の杖1 分子病理疫学(MPE)

転ばぬ先の杖1

予防は治療に勝ると言います。みなさんもできれば癌になる前には予防を、もし癌になった後でも再発の予防を選ぶのではないでしょうか。副作用が必ずといっていいほどある癌の薬物療法はできれば避けたいはずです。 私の研究の最終的な目標は分子病理疫学(MPE)で得られた研究成果を癌治療にだけではなく癌予防に活かす…
ハゲタカ(プレデター)にかかわるな!2 科学のための科学

ハゲタカ(プレデター)にかかわるな!2

振り返れば、1980年代、1990年代に生物学・医学が進歩して、研究者のニーズが世界的に高まり、雨後のたけのこのように大学や教育プログラムが作られました。米国国立衛生研究所のグラントも2000年代前半までは右肩上がりに増えていきました。大学も教員・研究者を大量に雇うことで米国国立衛生研究所や他の機関…
ハゲタカ(プレデター)にかかわるな!1 科学のための科学

ハゲタカ(プレデター)にかかわるな!1

先日の統計の重要性についての記事の中で、研究不正の根本的な原因の一つに科学の表面的な評価があると述べました。 論文数やミーティングでの発表回数などの表面的な実績を稼ぎたい研究者と、論文掲載料や登録料などでビジネスをしたい業者との利害関係が一致して近年横行している商売がいわゆるハゲタカ(プレデター)ミ…