アルコールと癌の関係について
2025年1月7日
先日、アメリカ保健福祉省の医務総監がアルコール飲料のラベルにがんの発症リスクが高まるとする警告を表示するよう勧告したことでインタビューを受けましたので(こちらの記事)、この問題に関する私の考えを書いておきたいと思います。
実は私の出身校、灘中学、灘高校は酒蔵会社が創設しており、私も酒の経済的な恩恵を受けて社会に出ることができました。酒の功罪は複雑で、一概に悪とは決めつけられないものがございます。しかしながら、純粋に健康のことを考えると、私は今回の発表に100%賛成します。
日本酒お猪口1杯くらい、ビールならコップ4分の1くらいを1週間に1回くらい飲むのであれば、健康への影響はごく微小で、しかも酒のもたらす心理的な幸福感も味わえるはずですが、なかなかそれでストップできる人はいません。アルコールの依存性が大問題です。
健康に直接関係あるなしにかかわらず、アルコールの害は多岐にわたり、飲酒が原因の交通事故、アルコール中毒、家庭崩壊、経済的困窮、失職、未成年飲酒、その他子供への悪影響などもあり、アルコールは本人だけでなく関係ない人の幸福まで害するおそれがあります。たばこの副流煙と似ています。
今回未成年飲酒について、調べてみましたが、やはり、というか案外高い割合(米国の多くの州で常習歴10%かそれ以上)なのに驚きます。しかも法律違反ということもあり、こういう調査ではおそらく確実に過小評価された結果が出ていると推測できます。
若年性癌の増加の謎にも関わりますが、若年飲酒が原因の1つである可能性も示唆されています。これについてはまた詳しく書きたいと思います。