スポーツと健康と仕事3
なぜ、私がここまでスポーツにこだわるのか。前の記事で述べている通り、生涯を通じてスポーツをする習慣を持つことで仕事のストレス発散や能率向上、そして健康の維持にもとても大きな効果があるからです。私がアメリカに来てここまでやってこれたのも、早寝早起きの規則正しい生活、栄養のある食事と運動習慣を基本としているおかげだと自信を持って言うことができます。運を動かすと書いて運動です。我々は動物、動く物です。やはり、仕事以外に何か打ち込める趣味を持つこと、特に体を動かすことは、回り回って仕事のパフォーマンスに大きな影響をもたらします。ですから、生活の中で運動のための時間を持たなければなりません。したがって、やはりワークライフバランスが整っていることは、良い仕事をするための必須条件であると私は思います。
平均的な働く日本人の生活ぶりを見ていると、仕事一辺倒でスポーツどころか、規則正しい生活をすることすら困難だと感じます。前もどこかに書きましたが、東京に行って驚くことは夜の10時にオフィス街や煌々と明かりの灯った地下鉄に疲れたサラリーマンの皆さんが大勢いることです。こんな生活をしていては、よく寝ることもできずにまた疲れた状態で次の日の仕事に向かわなければならず、仕事のパフォーマンスは低くならざるを得ません。コロナで少しは状況が変わっていることを望みますが。まず、仕事が定時に終わることが当たり前の世の中を作っていくことが理想的ですが、そのためには長い時間を要しますし、無理な方もいるでしょう。
ですから、私がまずおすすめしたいのはスキマ時間の活用です。生活の中に運動を取り入れることで、時間を無理に捻出しなくてもある程度の運動習慣を作ることができるでしょう。例えば私の場合、片道30分の自転車通勤をしています。これで平日は毎日1時間運動できることになります。今は在宅勤務が多く実践できていませんが、代わりに毎日1時間の散歩か自転車乗りで気分転換をしています。通勤が難しくても、例えばオフィス内の移動で階段を使うことも一案です。私も以前は11階のオフィスまで毎日毎回階段を使っていました。また、一番簡単なのは歩くことです。例えば、最寄り駅の1つか2つ前の駅で降りる。地下鉄線を2つ乗り継がず1つにする。そもそも交通機関を使わないで歩く。エスカレーターやエレベーターを使わずに歩く。電車ではつま先で立つ。座ってしていた仕事を立ってする。会議で座らずに立っている。それだけでかなりの運動になるでしょう。
因果関係はまだ証明されていませんが、運動不足の人には認知症が多く発生するという疫学研究論文が発表されています。運動は筋肉を動かすために脳神経をかなり使う作業で、認知症の最高の予防方法だと思われます。妻の母方の祖母も毎日1時間程度歩いていて、80代後半なのに驚くほど元気で、かくしゃくとしています。年齢を重ねるにつれて、運動を含めた普段の生活習慣が健康状態に大きく作用してくるものです。以前から述べているように、病気になる前に予防することが、最もコストパフォーマンスのよい対処法です。普段の生活習慣を少し見直して、ぜひ運動の時間を作ってみてください。
(この写真は2018年の全米オープンの大坂なおみ選手の試合を観戦したときのものです。この年、彼女は初優勝しました。)