チャンスを掴む方法2(仕事の優先順位と準備)
私が普段の仕事で心がけていることの一つとして、入念な仕事の準備があります。
重要な仕事には念を入れた周到な用意を欠かしたくありません。しかし、早寝早起きの生活リズムの維持のために、一日の仕事時間は限られているので、まず仕事の優先順位をはっきりさせる必要があります。
重要度は自分の仕事への影響具合で判断します。例えば、自分の研究室の維持に欠かせない研究費の申請の中でも取れる確率の高いもの、取らなければ困るものなどは最優先です。論文でも、今後の研究生活に影響を与えそうな重要な結果には当然時間を割くべきです。重要な仕事は頭のスッキリしている朝に行います。
重要な仕事については、入念に計画を立てて余裕を持って仕上がるように仕事を進めます。たとえば書類などの提出期限がある場合、自分の中の期限は大分早めに設定して終わらせることにしています。期限をギリギリに設定していると、不足の事態に対応できず、最悪の場合、期限を逃して応募ができない等の事態に発展することがあります。また、他の人に意見を求めたくても、ギリギリだと相手の都合もあるため、協力してもらえません。
重要な仕事にはより早く取り掛かり終わらせることにはメリットが沢山あります。重要な仕事を放置しておくとだんだんと緊急性の高い仕事になってきます。そして緊急性の高い仕事が複数になると、仕事を完璧に仕上げることが難しくなります。大事なのは、大きな仕事を緊急性が高くなる前に仕上げてしまうことです。
私はチャンスを活かすためにこの点はとても重要だと思っていますが、私の知る限り世の中の多くの人は重要な仕事に限って滑り込みで終わらせる傾向があるように感じます。数年先まで見通した計画を立てて、大切な仕事の重なる時期に他の仕事を入れないなどの工夫をして、余裕を持って仕事を進めることをおすすめします。
また、期限以外についても仕事の周到な準備を怠りません。例えば、重要な面接がある場合、会場の下見は前日までに済ませて、会場近くにホテルを余分に確保するなど、何があっても時間通りに面接会場にたどり着けるように準備します。また、普段から人的なネットワークを構築して、信頼できる人に積極的に連絡して自分の仕事に関して率直な意見を求めることも行っています。とにかく、重要な仕事については取り逃がさないようにあらゆる努力をするということが、チャンスを逃さないことにつながります。
それでは、優先順位が低めと判断した仕事についてはどうするかというと、まずその仕事をなくせないか考えます。依頼を丁重に断るのに慣れないといけません。どうしてもなくせないとすれば、重要な仕事の隙間時間になるべく早く処理をするように心がけます。メールの処理がその例でしょうか。重要でないからといって、仕事をためることはしません。
また、頼まれてどうしても断れない仕事などもあります。仕事を素早く終わらせるには、手を抜けるところは抜いていく必要があります。慣れてくると重要性が低いがやらねばならない仕事で上手に手抜きができるようになります。例えば、自分でなくても処理できる仕事の場合は人に頼んでやってもらうことが考えられます。ですから、有能なアシスタントを持つことは自分の仕事の質に影響してきます。そういう人を見つけた場合は厚遇して大切にしなければなりません。
今回は仕事の優先順位と準備について書きました。チャンスを掴むのにこんなことは関係ないと思う方もいるかも知れません。しかし、チャンスを掴む以前の話として、普段からコツコツとやることをやるということはとても大切です。大きな勝負どころで勝つためには、基本的な話であると思います。
かといって、普段から努力を怠らない人全員がチャンスを掴めるわけではありません。では、どうしたら大きい勝負所で実力を発揮できるかということについては次回に書きたいと思います。