チャンスを掴む方法1(生活習慣)

先日の将棋の渡辺新名人の誕生の記事に書いたように、私は渡辺新名人がここぞというチャンスに限って特に勝負強いところをとても尊敬しています。実際に彼の通算勝率(6割6分強)は確かにかなりの高勝率ですが、他のトップの中のトップ棋士と比べてずば抜けて高いというわけではありません。例えば、通算勝率は豊島前名人の方が6割8分でより高いです。

それより大事なのは、今回のような大きな勝負所で勝つことができる力です。これは、世の中で結果を残している人全般が持っているとても重要な能力です。昨日、史上最年少の高校生二冠という前代未聞の大快挙を達成した藤井二冠も、まだまだこれからの勝負次第ですが、いざというときの勝負強さという点では渡辺新名人と同様のものを感じます。

私自身のキャリアを振り返ったときに、ここまで来ることができたのは、ここぞというところでチャンスをものにしたことが大きいと考えています。人間には失敗がつきものですし、私ももちろんたくさんの失敗をしてきました。失敗はしてもよいのです。それよりも、失敗を糧にしてここぞという勝負所でチャンスを掴むことが重要です。これについては以前の記事に書いていますので、参考にしてみてください。

では、なぜ肝心なところでチャンスを取り逃がさなかったのか、これまで私がやってきた方法をもう少し深く分析してみました。

まず、当然のことですが、普段からコンスタントな努力を重ねて、何事にも準備を怠らないことが重要です。

そのための基礎として私が大切にしているのは、朝型の規則正しい生活と運動です。健康な生活習慣は仕事のパフォーマンスに大きく影響を与えます。また、当然のことながら健康寿命にも関わります。今だけでなく、長くコンスタントに仕事を続けられるかということも重要な点です。

私はだいたい朝の5時半に起床し、コーヒーを飲んですぐに仕事に取り掛かります。この習慣は出張や旅行のために移動中のときなど特別な場合を除けば、365日変わりません。休日の朝もたいていは少し仕事をします。

なぜ朝仕事をするのか。これは色々な人が実践し良さを述べているので、改めて私が言うことでもないですが、朝は脳が一旦リセットされ、最も生産性が上がるからです。私は朝に重要な研究費の申請書や論文のチェック、その他最も頭を使う仕事をすることにしています。事務処理やメール処理などの単純作業は隙間か午後に回すことで、自分の仕事の効率と生産性を最も高めることができます。最近は起きてすぐすることはスケジュールの確認で、間違えてもEメールはみないようにしています。

また、昼食後に10‐15分程度の昼寝をするようにしています。こうすることで、午後の仕事の効率が格段に違ってきます。また、バランスの良い和食を中心とした3食をきちんと決まった時間に食べ、仕事は遅くても午後7時頃までしかしません。7時以降は食事と趣味(運動含む)の時間です。午後10時には就寝します。睡眠リズムを保つために夕方以降は明かりを暗くして、コンピューターやテレビの画面を避け、脳内を夜にあわせて睡眠しやすい状況にします。

話がそれますが、東京や大阪では夜の22時に煌々と明かりの灯った満員電車が走っていることが驚きです。家では蛍光灯が部屋と浴室を明るくします。人々は寝るまでコンピューター、テレビ、スマホ画面を見ています。これでは睡眠のリズムが崩れて仕事や健康に悪影響を与えます。コロナを機に仕事に関する悪い慣習が変わって行けばいいのですが。

運動時間については、コロナ前の平日は毎日片道30分の自転車通勤と、なるだけ階段を使用するなどして確保していました。今は夜に室内バイクを漕ぐか外を散歩しています。また、休日はテニスをします。運動をすることで、仕事で疲れた頭をリフレッシュできます。

さて、ここまでは良い仕事の前提となる生活習慣の話をしました。次回は、私が心がける入念な仕事の準備について書きたいと思います。

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