ハーバードのバーチャル卒業式
今日はハーバードの卒業式でした。例年であれば、各地から集まった卒業生の家族の予約でホテルが満室になります。この日のために数年前から予約を入れている人も多いと聞きます。
先週末のメモリアルデーの3連休から9月のレイバーデーの3連休まではサマーシーズンです。私も大好きなニューイングランド(マサチューセッツ州を含む北東部6州)の爽やかな気候の中、ボストンの街は今年も多くの学生や保護者で賑わうはずでした。
しかし、今年は新型コロナウイルスの影響で大規模な集会は未だに禁止されており、ハーバードの卒業式も史上初めてネット中継のみで行われました。
私は普段なら卒業式に参加することはありません。ハーバード大学医学大学院で教員として採用された後に働きながら、ハーバード大学公衆衛生学大学院で2010年に疫学修士号を取得したのですが、その時はすでに医学博士号も取得していたし、フォーマルな洋服を揃えたりするのが面倒なのもあって、自分の卒業式ですら参加せず、後に郵便で卒業証書を送ってもらいました。
しかし、今年はネットで気軽に参加できるという知らせを受け取ったので、午前中の学部(カレッジ)の卒業式、教員を務める公衆衛生学大学院全体の卒業式、所属する同大学院疫学科の懇親会に参加してみました。
こういう風に普段なら時間の都合もあって参加しないイベントに自宅から気軽に参加できるのがバーチャル形式の良いところです。新型コロナウイルスの流行のお陰で気づいたオンラインのメリットの一つです。
来年の卒業式は例年通りガウンを着た学生達が集合してまた盛大に行われることを祈っていますが、バーチャル形式も並行して継続してほしいなと思います。
卒業式ですが、学部ではハーバードの卒業生で世界的チェリストのヨーヨーマがリモートで(自宅から?)演奏していました。総長や学部長のスピーチも全てリモートです。代表の学生のスピーチは、若いのに流石ハーバードの卒業生だなと関心してしまいました。アメリカの学生は一般的にもスピーチが上手です。毎年元大統領などの著名人の特別なゲストのスピーチがあり、今年はワシントンポストの著名なジャーナリストである、マーティ・バロンが特別スピーチをしました。
公衆衛生学大学院の卒業式では、全ての卒業生の名前が読み上げられるのですが、中国系の方がかなりの割合を占めていることが印象的でした。対して、私が在学していた時と比べて日本人らしき名前が非常に減っているようなのが気がかりでした。
その後の疫学科の内輪の謝恩会・懇親会では、教員からのお祝いメッセージや乾杯(もちろん各自が自宅からの参加)などがあり、和やかでとても良かったです。
今年は未曾有の事態のせいで卒業する方々には少し残念だったかなと思いますが、それでも華やかなバーチャル卒業式ができて、少しは良かったと思います。総参加者数はおそらく普段の数倍はありそうな気がしました。卒業おめでとうございます。