日本からの訪問客1(旧ラボメンバーを囲む食事会)

例年、夏は色々な人が私の研究室を訪問してくれます。今年もその例にもれず、いろいろな人に会えてとても嬉しい限りです。

今回は私の研究室の元メンバーで、現在は札幌医科大学の能正勝彦さんがボストンをご訪問くださいました。現在、彼と同時期の研究室のメンバーの馬場祥史さんが熊本大学から私の研究室に最新研究を学ぶために再び半年間滞在中であるため、3人で食事に出かけました。

こうして昔の研究室の仲間から連絡が来るのは嬉しいものです。私の研究室のホームページにも書いてありますが、昇進・移動の際やどんな些細なことでもいいので、定期的に連絡を入れて私との繋がりを保って欲しいのです。これは他の研究室でも同じではないでしょうか。一般的いうと、留学した後も成功している人は定期的に連絡をくれる方が多いとも言えます。

また、私の研究室に留学してくる人には、遠慮せずハーバードやMITなどにいる有名研究者と積極的にコンタクトして繋がりを作るように言っています。帰国した後に大きな学会などで見かけたりした時も、話しかけるきっかけになるからです。私も昔ポスドクだった頃は、話ができそうな偉い教授に積極的に連絡して会いに行っていました。

せっかく留学したのですから、機会を無駄にしないで最大限に活用していただきたいものです。もしアメリカでキャリアを築いていきたいのならば、こうした能動性、ネットワーキング力は普通に求められるでしょう。アメリカ人は学生でも積極的にコンタクトしてきます。

能正さんと馬場さんと一緒に研究していた2008から2010年の当時は私はまだ准教授で研究室の規模も今より大分小さいものでした。だいたい5人くらいの研究室メンバーが、当時の私のメンター兼共同研究者で現在はイェール大学癌センター所長のチャールズ・フュークス教授の部屋を借りてラボミーティングをしていたのが懐かしく思い出されます。

現在のラボミーティングは、10年前とは隔世の感があります。ブリガム・アンド・ウィメンズ病院、ハーバード大学医学大学院、ハーバード大学公衆衛生学大学院、ダナ・ファーバー癌研究所、ブロード研究所など複数の施設にまたがる私の研究室だけでなく、電話回線を通じてマサチューセッツ総合病院の共同研究者の研究室やイェール大学癌センター所長フュークス教授などの複数の研究室のボスとメンバー約25人から30人が一同に介する、当時と比べてとても大規模なものです。

約10年前のそんな小さい研究室の環境の中で、彼らの研究面での頑張りは目を見張るものがありました。馬場さんの2年の任期に書いた筆頭著者論文数8本の記録は未だに破られていません。一方、能正さんは10年たった今まで私の研究室で頻繁に使われている癌組織内の免疫T細胞の測定データを取るという多大な貢献をされました。

年月とともに、私の研究室も大変革し、科学の潮流も絶えることなく変わっていきます。歴史好きの私は、戦の仕方が戦国時代初期から安土桃山時代にかけて、まるで変ってしまったのと似ていると考えています。

今回のレストランはボストンの隣町のブルックラインにあるスペイン料理店です。ここはタパスやパエリアが美味しいお店でいつも混み合っています。いつも料理を食べる前に写真を撮るのを忘れてしまいます!

コメントを残す