英語教育2(我々はなぜ英語ができないのか!?)
英語教育への関心の高さからか、前回の記事には多くの反響をいただきました。 こんなにも英語への関心が高く勤勉に努力しているのに、なぜ日本人はこんなにも英語ができないのでしょうか?
その理由の1つ目は、日本の英語教育の始まりが遅すぎるということです。
前の記事でも触れた通り、語学学習には乳幼児期の柔らかい頭が必要です。鉄は熱いうちに打たないと刀はできません。冷えてからではどれだけ叩いても刀はできません。
赤ん坊は努力することなく、日本語を母国語として使えるようになります。
生まれた時から英語と日本語を聞いて育ったアメリカ生まれ・育ちの日系2世や帰国子女はうまく育てれば、英語・日本語とも両方完璧に使えるようになります。
同様にシンガポール人の知識階級の多くの人は3-4ヶ国語(英語・中国語・広東語・マレー語)が普通にできます。注目すべきはこれらの言語のうち英語と中国語・広東語とは系統がまるで違う言語であるということです。普通のスイス人が比較的似た系統の4ヶ国語(仏語・独語・英語・伊語)を自由にあやつるのより(それでも一般に語学下手の日本人にとっては、ものすごいことですが)さらにすごいことです。
このことは日本人一般の低外国語力の問題解決のためのたいへん重要なヒントを我々に教えてくれます。
我々の英語教育は冷え切った鉄をかなづちで叩いているようなもので、かなり無駄な努力をしているのです!!誰が刀を作るのに冷えた鉄を一生懸命打つでしょうか?一生打っても刀にはならず、つぶれてしまいます。
しかも、教え方も文字偏重で音が軽視されています。
これが日本の中学・高校で毎日行われていることとしたら、皆さんどう思いますか?例え小学生から英語の授業を始めたとしても、教え方を相当工夫しない限りは効果はそれほど大きくないかも知れません。
もっとうまい策を考えるのが当然ではないでしょうか?ところが悲しいことに根本的な策は今に至るまで何も行われていません。
我々が英語が出来ないもう一つの理由は日本語のある弱点に関連すると考えます。
そして同じように乳幼児期に英語を聞かずに、学校で英語を習った他の東アジアの国の人々、たとえば中国人が、なぜ日本人よりも遥かに英語ができるのかということも、彼らの母国語と関連すると思います。
次回に続きます。