自己紹介
初めまして。ハーバード大学教授の荻野周史です。
私は1993年に東京大学医学部を卒業し、沖縄の米軍基地にある病院で研修をした後に米国医師免許を取得し、渡米して米国で病理学研修と研究を始めて23.5年になります。
本日より日々の研究生活や問題意識を綴ったブログを始めたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
私がこのようなブログを始めようと思ったきっかけに日本の現状に対する危機意識があります。
ハーバード大学に来て17年になりますが、ここ10年ほどで研究留学にくる日本人ポスドクが激減した一方、中国や韓国のアジア系や他国の優秀な人々は右肩上がりに増加している実感があります。ボストンの世界最高峰の研究機関で経験を積む若者の減少を目前に見て、日本の将来に強い危機意識を持っています。
このような状況と、いずれこのブログで触れる日本人に根強い英語-語学ベタの問題から、米国で研究を続けてファカルティ(教授・准教授等の教員)のポジションを獲得できる日本人はごく少数です。日本の科学技術力の低下が叫ばれている中、日本が競争力を失いつつあるのがとても心配です。
私は大学卒業後すぐに日本のレールを外れて、自分の力で米国での人生を切り開いてきました。日本で型にはまったキャリアを築くことに強い違和感がありました。日本は素晴らしい国であるのは疑う余地がないと思いますが、人と違うことをするのが極めて難しい風潮は今も変わらないと思います。このまま安全な柵の中にとどまっていることを良しとする人が大多数であれば、国は衰退していく一方だと考えます。
私の米国での挑戦や研究生活をブログで発信することで、自分も人と違うことに挑戦したいと思ってくれる若者が増えれば嬉しいです。これからできる限り頻繁に更新したいと思います。
次回からしばらくは自己紹介を兼ねて研究のテーマや米国で研究を始めることとなった経緯を紹介したいと思います。